2008年2月8日金曜日

時津風部屋の力士暴行死事件考

時津風部屋の力士、時太山(斉藤俊さん)が、昨年6月26日に死亡した件で、元親方の山本順一と同部屋の明義豊(山本順一)、怒涛(伊塚雄一)、時王丸(藤居正憲)の4名が傷害致死容疑で逮捕された。
一旦、警察が病死として処理したものを、遺族の病死と納得できないとの思いと世論によって、暴行事件とやっと認められた事は意義深い。
報道では、山本順一と山本順一が容疑を否認しているという。否認している2名は自分達が行った事が、「傷害致死容疑」に該当する行為を行ったと心から思っていないから否認しているのではないだろうか。ビール瓶で殴る(小突くとの事らしいが)ことや少々行き過ぎた行為とは言え、日常稽古やしつけと言う名の下で行われていたことなのだろう。世間一般から見れば非常識な行いも、閉鎖的な大相撲の世界では何ら不思議なことでもなかったのだ。
勿論、例え稽古と言えどもそれが原因で死亡者を出したことは、病死として片付けていい問題ではない。否認している彼らからすれば「業務上過失致死」としての認識はあるのではなかろうか。先日、明治大学の応援団で団員がいじめを苦にして自殺し、その自殺原因が応援団の行いにあったとして解散処分となった。しかし、団員の事情聴取では「今までも行っていた事をしただけで、それまではなにも言われなかった。悪いことをしたという気持ちはない」と全く反省していない証言があったと聞く。全く同じ構図ではないのだろうか。
今回の事件で、北の湖理事長以下相撲協会全体が猛省する必要があろう。事件は起こるべきして起こったのだ。
時太山死亡事件以前にも、相撲界では力士が急性心不全とされて処理された死亡事件が多数あるという。その中には今回の事件と同じ物があったと考える方が自然である。そういった事が、今回の事件の遠因になったといれる。それゆえ根深い問題を抱えた事件と言えよう。
もう一つは、元親方を強く非難している、犬山警察署である。親方を非難する前に、自ら病死と判断し事件を有耶無耶にしようとした事をまず反省し、その原因を究明すると共に公表して二度と間違いをおこさないようにすべきであろう。

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