2008年1月27日日曜日

国土交通省の硬直姿勢を問う

淀川水系に計画・建設中の五つのダムの一つである川上ダムに関して淀川水系流域委員会は、このダムからの取水を予定している伊賀市に大阪市から水利権を譲渡するように、両市に提案する予定だと言う。伊賀市が川上ダムの利水から撤退すれば、利水事業への参加自治体は無くなり計画自体も白紙になりかねないという。
この提案に対して、あくまでも川上ダム建設を推進する国土交通省近畿地方整備局は「水需要が一時的に減少したからといって、水利権を譲渡する事は適切でない。」と文書で委員会に回答。大阪市、伊賀市との調整にも応じないという頑なな態度である。
川上ダムは1967年4月に予備調査が開始され、既に40年以上が経過している計画である。ダム本体は現在も未着工であるが、当初850億円だった建設費が1230億円まで膨れ上がり、既に460億円が投入されているという。一旦動き出した計画を途中で中止すると今までつぎ込んだカネが無駄になる。というとんでもない論法がここでも使われている。ここでは、行政独立法人水資源機構の存在があくまでもダム建設推進を言い続ける根底にある。ダムを造る事が仕事の組織は絶対に建設中止に動くはずが無いのだ。
税金の無駄遣いの議論の中で独立行政法人のあり方が問われたが、不十分な結果となっている。増税論議や、財源の問題を論議する前に徹底した独立行政法人解体を実行すべきである。道路特定財源の問題も全く同じ構図であろう。【必要なダム】や【必要な道路】等と言われる時の【必要な】とは誰にとって必要なのかが問題なのである。今言われているのは、国民にとって必要なのではなく既得権益者にとって必要というだけであろう。

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