2008年1月18日金曜日

日本の文化度の低さを憂う!

約300年前に造られて、国の重要文化財級建築物といわれた「平野屋新田会所」が所有者の不動産会社によって取り壊された。一旦破壊された文化財は決して元に戻す事は出来ない。
この「平野屋新田会所」は一昨年末、競売が実施され5億2千万円で今の所有者である不動産会社が落札したという。業者はこの建物を取り壊し、宅地として販売する計画だという。この業者が落札したことで、取り壊される事が現実のものとなり、平野屋新田会所を考える会を中心に保存運動が盛り上がった。大東市も保存に向けて、業者と買取交渉を行って、最終的に買取価格6億5千万円を提示したが、業者の希望買取価格との差額が大きく(約2億4千万)交渉は決裂したと言うのである。
そもそも、現在の法律では業者のこの行為を止める事は不可能というのである。日本では、この様な建築物を所有し続けることは負担が大きすぎ、その為に今回のように手放さざるを得ないケースが多く、その場合やはり今回同様開発業者の手に渡る場合が多々ある。
文化的価値の高い建築物の場合、其処に生活している人の負担を少なくし、国家で保護するという観点からの法整備が早急に必要だと思う。文化庁も国史跡指定を躊躇わず、積極的に文化財の保護に努めるべきである。くだらないハコモノを造り続ける税金の無駄遣いより遥かに意義があろう。
今回、このカネカネ業者の行いを許したこと事態、文化度の低さを表す何者でもなかろう。こうなったからには、不可能とは思うが、開発された宅地の不買運動を展開し、この業者を倒産に追い込む事が必要ではなかろうか。
文化財保護も世論を無視した開発を行っても、国民的批判に晒され、この先の企業活動に支障を来たせば、今後この様なことを行おうとする業者は出てこなくなろう。この業者名をマスコミは公表すべきである。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

 こんにちは、初めてコメントさせていただきます。破壊と言う実力行使をされてしまうと元に戻す事は、ほぼ不可能ですが、ここに建てる建物については、以前の建物の調査資料を展示してできる限り歴史を伝え、建ぺい率や建物の質について、以前以上に周辺環境に対して価値ある物でなければ、建築確認は下ろさないとか、これを契機に建築物の保存に関して何らかの法的な前進があるべきです。そうしないと、こういう重要な歴史的価値のある建物についてですら、このような事態なのですから、これよりはスケールが小さいとか歴史が浅いとかの、いわば真珠のような建物が、構造的な危険性等いろいろな理由をつけて、簡単に破壊される事を止められないと思います。業者名株住(住まい)は保存運動関係のブログに載っていました。奈良県に同名の宅地開発業者が2つあるわけではないようです。