2008年1月7日月曜日

急患搬送システム少しは前進か?

救急搬送の受け入れ拒否が社会問題化している。昨日も宮城県蔵王町で全身火傷の患者が四つの病院に計5回受け入れを断られ、現場到着から出発までに約30分、病院収容までに結局、約1時間かかったという。
消防本部は「全身の火傷は処置が難しく、高度治療が必要だったために起きた極めてまれなケース。いわゆるたらい回しとは考えていない」と話しているらしい。しかし、高度な治療を必要とする救急患者を搬送する事が極めてまれなケースという考えはおかしいのではなかろうか。高度な治療を必要とすればこそ救急車の出動と考え対応をしておくべきである。
今回の患者は命には別状がなかったことは幸いであった。

急患搬送に関して、国は「拒否5回・30分超過時」に受け入れ病院探しを行うコーディネーターを各都道府県に置くことにした。コーディネーターは、医療知識に加え地元の事情にも詳しい事が必要なため、地元の医師が担当するという。
全く対応をとらないよりはましかもしれない(一歩前進か?)が「拒否5回・30分超過時」にやっと対応するというのもまどろっこしい仕組みである。現場到着後、患者の容態に応じて速やかに機能する仕組みにすべきである。
当然のことながら、今回のこの仕組みが出来たとて根本的解決には何らならない事は言を待たない。「病院がなぜ患者の受け入れを断っているのか、行政は搬送時間だけでなく、各地域ごとの症例を分析し、対応を考える必要がある」との末原則幸・大阪府立母子保健総合医療センター産科部長の話や、「医師不足やベッド不足が根本の問題」との甲斐達朗・大阪府再生会千里救命救急センター長の言葉を重く受け止め、一刻も早い根本的解決策の具現化を望む。

0 件のコメント: