2008年1月22日火曜日

「憲法9条はなぜ制定されたか」を読んで。

古関彰一書「憲法9条はなぜ制定されたか」を読んで軍事力で平和を生み出せないこと、そして今更ながら「憲法9条」の大切さを実感した。

そこに書かれていた一部を抜粋引用します。
「人類は戦争を繰り返すたびに、戦争の悲惨さを知って、戦争のない世界を希求してきました。日本国憲法の九条は、第二次大戦後の日本の政治的条件の反映に他なりませんが、こうした戦争違法化の世界史的潮流のなかに位置づけられることも確かです。こうした憲法を持ちながら、現実は九条の規定とかなりかけ離れてしまいました。私達の戦後の経験は「憲法九条があるから大丈夫」といった憲法に寄りかかった護憲意識では、憲法九条は護れないことを教えてくれています。戦後の日本政府は、日米安保条約の下で軍事力による安全保障を基本としてきました。軍事力によって国の安全を守ろうとする考え方に基づいて政策を立案し、憲法を改正する事は、たやすいことです。さしたる政策立案能力を必要としません。とくに日本の場合、米国の対日安全保障政策に従っていればいいのですからなおさらです。一方、九条を護って私達の生命と財産を守る方途を見つけ出すことは必ずしも容易なことではありません。日本のような「経済大国」にあっては、なおさら困難が多いことは誰でも気づくことです。しかし、軍事力で平和を生み出すことが出来ない事は、人類の歴史が、そしてイラクの現実が教えてくれていることですから、非軍事の安全保障政策を見出さなければなりません。軍事力によらない平和の創造は、暴力の連鎖が続く現実を直視するとき、多くの困難がともなうにちがいありません。しかし、人類はいつの時代にも眼前の困難をおそれず、それに立ち向かって、歴史をつくってきました。いま、私達が軍事によらない平和を創造すること、それは私達の歴史責任と言えましょう。そのためにも、憲法九条は必要なのです。」

この事からも、憲法9条を具体的に実行する国の施策が必要な事が分かります。日米軍事同盟をいつまでも続けていて良いわけがありません。日米軍事同盟至上主義の思考停止状態からの脱却が求められます。

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