2007年12月29日土曜日

またまた新幹線新駅問題を考える!

滋賀県の新幹線新駅問題対策専門委員の意見交換会が昨日開かれたとの朝日新聞の記事を目にした。新聞の見出しは【「新駅後処理は県に責務」区画整理巡り専門委が指摘】となっていた。その記事に依ると、新駅中止を評価する意見がでたが、事後処理に関しての県の責務を指摘する意見が相次いだという。
青山吉隆・京都大学名誉教授は「事業を続けた場合と、中止した場合の費用対効果をきちんと示すべきだった」と指摘。山崎浩一弁護士も「費用対効果を示すことは、公共事業を続けるかどうか住民が評価する際の大事な基準になる。」と話した。とあり、両者の意見は至極当然のように聞こえる。しかしこの考え方には納得できない。この国の公共事業の全てと言っても良いくらい推進派達や官僚の[まやかし]の評価によって騙し続けられてきた歴史がある。事業を推進したいが為の数字合わせの需要見込みがなされるなど日常茶飯事ではないか。何れにしても将来に亘っての正確な費用対効果測定など出来ないと考えた方が良い。反対派は反対派で幾らでも見積もれるからである。
そんな中、田中治・大阪府立大経済学部長が「公共事業の実施計画は一定の期間で見直す仕組みをあらかじめ作る必要がある。」という意見は傾聴に値する。
何十年も前に先人達が夢見て計画したことを、世の中が変わってその事業を粛々と推進している現状を改める機会にしたいものである。
最後に、土地区画整理事業について、山崎弁護士が「政策変更に行政の過失がないにしても、変更によって不利益を被る人にきちんと補償を行うべきだ」と指摘した。これに対し嘉田由紀子知事は「公費で補償する法的根拠はないのではないか。」と反論したらしい。
全く、嘉田知事の考えは正論であると考える。この考えを押し通してもらいたいものである。山崎弁護士は、計画が変更されず、巨額の投資で実現し財政が悪化して不利益を被る県民にどう補償するのか。この多くの県民が被る不利益を回避したことを評価すべきである。余程この事業を推進することで利益を目論んだ人たちがいることを証明する発言以外の何物でもない。一部の地権者の利益代表的発言は許せない。

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