2007年12月15日土曜日

現代戦争考!

今日の朝日新聞朝刊《異見新言》での明治大学准教授佐原徹哉氏の『中世化する戦争』は読まさせる記事である。記事によれば、冷戦後の戦争は国家間の戦争ではなく、中世において交戦権を持った自治集団である封建領主同士が戦っていた時代に逆戻りした如く、国家対民兵、或いは民兵同士の戦いに変わってきているという。

国軍に変わって怪しげで危険な任務などは民間の「警備会社」に大々的に肩代わりさせるようになったとし、今や、「米国の敵」は主権国家ではなく民兵組織となり、このような自治的集団が戦争の主体となっている。
そして、民兵は既存の社会の枠組みから外された人々が政治危機などを契機に自らの地位を再獲得しようとする動きに連動している。
此処で述べられていることから感じた事は、戦後60年以上直接的戦争に直面せず平和を築いてきた(平和ボケと言われ)この国が暮らしやすい国になったのかということである。ワーキングプアなる言葉に象徴されるような格差社会が固定化し、若者を初めとして閉塞感に満ち満ちていると感じても不思議ではない。平和がもたらした結果がこの様なものであるなら、平和などいらない、戦争で革命的にこの社会を破壊しても良しとする意見が若者の一部にあることはこのことをよく物語っている。

若者達に希望溢れる社会を提供する責任がいまの支配層にあるのではなかろうか。その事が戦争を無くす近道(戦争があっても良いとの考え)である。

佐原准教授の書いてられるが、「まず国家の側がルール順守に立ち戻ることであり、紛争地域に軍隊を送るという短絡的な発想ではなく、治安回復と社会正義の実現のための文民警官の増員や民生支援の拡大を考えなければならない」というのはその通りだろう。

短絡的に国際貢献の名のもとに、アメリカに軍事協力しインド洋で給油活動をする事がテロとの戦いに寄与するものでは全くないということだろう。

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