輸入小麦の政府売り渡し価格の相次ぐ値上げで、パンを初めお好み焼きやラーメン、うどんなどなど小麦を使った加工食品も相次いで値上げされている。この値上げは穀物価格の国際的上昇によるものだが、以前は売り渡し価格を年一回決定する固定価格制であった。それを2007年度から国際相場に合わせて年2~3回改定する変動性にしたことも影響している。
輸入小麦と違って国産小麦は政府が一括買い上げするのではないので値上げされないと思われていた。しかし輸入物に連動して昨年からは15%以上値上がりし、今後も更なる値上げが行われようとしている。しかし不思議な事に生産者は値上げの恩恵に浴していないというのである。燃料価格の高騰を持ち出すまでも無く生産コストは上昇しているのにだ。
これは、国産小麦の価格決定方法にそのからくりがある。毎年8月に生産者の代表である農協と製粉会社が入札で価格を決定する固定価格制のためである。買い入れた国産小麦を幾らで販売するかは製粉会社の自由裁量というのだ。仕入れコストは上がっていない国産品を輸入物に合わせて便乗値上げしたと言うことに他ならない。
小売価格の上昇が生産者に反映されない仕組みを作ってきた農水省の失政ではないのか。
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