2007年10月30日火曜日

冤罪を生み出す日本の司法制度

今日30日、高松高裁で高知白バイ衝突死裁判の判決が11:15に言い渡された。「控訴を棄却する」

被告側の主張と検察側の主張が真っ向から対立した裁判が、弁護側の証拠申請を全て却下し実質審理を全く行わないで検察側の主張を全面支持する判決となった。
第一の争点、バスは停まっていたか、動いていたかについて当時そのバスに乗っていた生徒や先生の「停まっていた」との証言は全く採用されないと言うのだ。また、ブレーキ痕については、一審の「捏造の疑いは殆ど無い」から「疑いは全く無い」と審理もせず何故この様な事がいえるのか。

香川大学法科大学院の田淵浩二教授は、「控訴審は裁判のやり直しではない」「第一審の事実認定がおかしかったかどうかを事後的な立場で判断するのが控訴審のたてまえ」「裁判官によっては新たな事実の取調べは必要ないという心証をとっていれば一回も事実の取調べをしないということはある」と述べている。即ち、二審で新たな事実を取り調べるかどうかは裁判官の裁量に委ねられているというのだ。更に田淵教授は「最初に証拠をそろえるのは捜査機関であるから、それを覆す証拠が出せないと、結論として検察官の主張どおりの認定となる」「事故当時の実況見分調書、写真撮影もしててそこにスリップ痕もついてる。それを捏造だとする具体的な根拠を弁護側が示せなければ、裁判官の心証は動かないと言うのが現実だろうと思う」という。検察官の主張する衝突地点に全くバスや白バイの破片がなく、停止地点にしかない矛盾などはブレーキ痕一点で全く無視されている。

この裁判を知り、日本で冤罪が生み出される理由が分かったような気がする。今後、このバスに乗っていた生徒達が日本の司法制度に不信感を持たないもとを願わずにはいられない。楽しい思い出を台無しにしたとも思えるバスの運転手にこの生徒達が嘘を言ってまで弁護する理由は見出さない。バスは停まっていたのだろう。白バイが60Kmのスピードで走っていたのではなく、100Km以上出していたとの証言もある。当然、弁護側は即日上告した。最高裁では納得できる判断が成されるよう期待する。

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